仲本かなさんとのお話会から学んだ「子どもを信じる教育」
2025年11月、オランダの学校を中心に教育視察を行いました。
初日(Day1)は、オランダで長年現場に立たれている 仲本かなさんとのお話会から始まりました。
今回は、その学びの中でも特に印象深かった「子ども理解」と「学級づくり」についてまとめます。
■ 子どもの感情を“読み取り、言葉を返す”
仲本さんが最初に語ってくれたのは、子どもへの言葉がけの質でした。
子どもがトラブルを起こした時こそ、
・「どうしたの?」
・「何がしたかったの?」
・「いま怒っているね、目を見たらわかるよ」
・「悲しい気持ちがあるように見えるよ」
と 子どもの内側に寄り添う言葉 を、大人が丁寧に届けること。
すぐに正さず、
“落ち着いたタイミングで、必ず最後までフォローする”
という姿勢が一貫していました。
■ イエナプランの核になる「サークルタイム」
オランダのイエナプラン校では、1日に何度もサークルが開かれます。
- 朝のサークル
- 休み時間前後
- 歌で始まるサークル
- ロールプレイのサークル
机は使わず、椅子だけで輪になるのが基本。
異年齢が自然に交じりあい、感情・トラブル・学びを共有します。
特に印象的だったのは、
怒った時・悲しい時・びっくりした時のロールプレイ
を子どもたち全員で行うこと。
感情の扱いを“練習で身につける”という文化に驚きました。
■ 「コーチングする教師」ではなく「教師を支えるコーチ」
仲本さんが担う“コーチ”の役割は、
ティーチングせず、選択肢も与えず、辛抱強く待つこと。
現場の教師が困った時に、
- 今どんな状況か
- 何を望んだのか
- どう進めたいか
- いつ実行したいか
- どんな状態なら「やってよかった」と言えるか
という問いを丁寧に重ね、
1週間後に進捗を確認するという仕組みです。
「実践から理論をつくる」という言葉が印象に残りました。
■ ルールづくりと、大人が守る姿
学級づくりの要は、ルールづくり。
- 先生がサークルに座ったら静かになる
- 先生の顔を見る
- 温度計(赤・緑)で教室の状態を視覚化
これらは、決して“子どもだけのルール”ではなく、
大人が守る姿を見せることが前提 だと教えてくれました。
■ 特別支援の考え方:早期スクリーニングと専門家の伴走
オランダでは、6歳前後でLDや言語障害(TOS)などのスクリーニングが行われます。
- 先生が違和感を覚えたらすぐ専門家に相談
- 遊びながら30分程度のアセスメント
- 担任へ2週に1度のアドバイス
- APL、ASD、ADHD、HSCなども含め幅広く支援
- マルチメディアDAISYなどの補助教材も活用
言語が通じない移民の子ども(ウクライナ、ロシア、トルコなど)にも同じ免許で対応できるのが特徴です。
■ 不登校は「罰金」があるほど重視されている
オランダでは不登校は非常に少なく、
遅刻3回で家庭に連絡、9回で市の義務教育課が家庭訪問。
子どもには
「教育を受ける義務」
が明確にあります。
家庭の問題がある場合は「養育アドバイザー」が入り、朝7時に家に行き着替え・朝食のサポートまで行うことも。
■ Day1の学びを通して
仲本さんの話には、一貫して
「子どもを信頼する文化」
が流れていました。
ルールも支援も仕組みも、その根底にあるのは
子どもは自分で育つ力を持っている
という確信。
リベラルスクールでも、今回の学びを丁寧にいかしていきたいと思います。


